<第4幕>/チェルノモールの城
その頃邪悪な魔法使いチェルノモールの城では、捕えられたキエフ国大公の娘リュドミーラが、不幸な我が身を嘆いていた。彼女はチェルノモールの言うことを聞くくらいなら死んだ方がましと、城の前の川に身を投げようとしたのだが、水の精が現れて彼女を止めた。そこへ長い髭を蓄えた小人のチェルノモールが、お付きの者を従えてやってきた。不気味な雰囲気の行進曲から、トルコ、アラブ、コーカサスの舞踏曲になり、家来たちは余興の踊りを踊り出した。するとそこへルスランがやってきたという知らせが入る。チェルノモールは慌ててリュドミーラに魔法をかけ眠らせると、ルスランとの戦いに出向いた。
戦いは巨大頭から授かった剣の威力で、チェルノモールの髭を切り落としたルスランが勝利し、ルスランはラトミール、ゴリスラーヴァと共に城内にいるはずのリュドミーラを探し回った。しかしやっと見つけたリュドミーラは死んだように眠っており、全く目を覚ます素振りがない。落胆したルスランは、眠ったままのリュドミーラをキエフの国に運ぶことにし、解放されたチェルノモールの奴隷たちも連れて帰途を急いだ。
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