時と場所:紀元前1150年頃
あらすじ-第1幕
夜、パレスチナの都ガザの広場。ヘブライの民衆が集まってイスラエルの名も失われようとしていると歌っている。このときサムソンが躍り出て民衆を力強く励ます。青年サムソンは母の体内で、いずれイスラエル解放の先駆者となるべき身として神に運命づけられた男。無比の怪力を賜った代わりに頭髪を切ることはタブーとされていた。そこへガザ゙の大守アビメレックがペリシテ人兵士を従えて登場、サムソンに励まされて気勢をあげているのを見て驚き「お前達のすがる神が本当に頼りになるなら、その神通力を見せてみよ」と言うが、いまや昴然とこれに反抗する。アビメレックが怒って剣を抜くと、いまや神の力が乗り移ったサムソンは逆に剣を奪って大守を斬り倒してしまう。このときダゴン神殿の大僧正が階段を下りてくる。大僧正は事の次第を聞かされて激怒、ヘブライ人を皆殺しにするよう命ずるが、ペリシテの兵士達は剛勇のサムソンに足がすくんで動けない。やがて神殿の中から出て来たのは美貌のペリシテ女デリラ。デリラはサムソンの弱点を探る魂胆で、その魅力でサムソンを誘惑して軽やかに歌う。「デリラの柔肌は待っています…私の口づけは、かおる鈴蘭よりも甘い…」甘美な歌と踊りにサムソンは必死で誘惑にうち勝とうとするが、ついにデリラの術中にはまってしまう。
つづく

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