第2幕/ジャンのアパート
 ジャンの両親がプロヴァンスから息子を訪ねて来ている。孤児になり養女となったジャンの従姉妹イレーヌも一緒である。幼馴染みでもある二人は両親が席を外している間に昔話で盛り上がりそっとキスを交わすが、戻って来た両親は二人の親密そうな雰囲気にまんざらでもない様子で笑みを浮かべる。
皆が帰った後突然ファニーがやって来る。彼女は今出て行ったばかりの美しい女性が彼の従姉妹と知ると安心し、今度は部屋の中にあるサッフォーの大理石像に目を留め驚く。芸術の素晴らしさを語るジャンに反しサッフォーは何故だか芸術家たちを非難するようなことを言い、その後そんな話題を払拭するかのようにジャンの故郷プロヴァンス地方の歌を歌い出す。彼の気を引くために歌ったのだが、いざ心を奪われたジャンがファニーに愛の告白をすると、彼女は意味ありげに暗い表情を浮かべて返事を躊躇する。しかしジャンの真剣な求愛にファニーもやがては折れ、二人はジャンのアパートで一緒に暮らすことにする。そして「お金は無いけど何とかなるさ」と強く抱き合う。
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