【基礎データ】
ヴォルフガング・アマデウス・モーツァルト
Wolfgang Amadeus Mozart
「第一戒律の責務」
宗教的ジングシュピールの第1部K.35
Die Schuldigkeit des Ersten Gebots
Libretto: Ignaz Anton Weiser
台本:イグナツ・アントン・ヴァイザー
初演:1767年 3月12日、大司教宮殿の騎士の広間(ザルツブルク)
上演時間:1時間23分
楽器編成: 2Ob,2Fg,2Cor,Str/BassoContinuo
配役:
Gerechtigkeit(正義):Soprano
Barmherzigkeit(慈悲):Soprano
Weltgeist(世俗精神):Soprano
Christgeist(キリストの精神):Tenor
Christ(キリスト教徒):Tenor
概説:
モーツァルト11歳の記念すべきオペラの処女作。復活祭前40日間の四旬節に上演される目的で、3人の作曲家による3部構成のオラトリオが作曲された。その第1部を弱冠11歳のモーツァルトが担当した。なお、第2部は、ミヒャエル・ハイドン、第3部はアードゥルガッサーが作曲したが、楽譜は現存していない。モーツァルトはこの直前の1766年11月、実に3年半におよぶヨーロッパ全土にまたがる大旅行を終えたばかりであった。各地で天才としてセンセーショナルな評判を呼んだその旅行中、モーツァルトは、それぞれの土地で最新の音楽を吸収した。このオペラは、正にその凝縮といってもよい作品である。
宗教的ジングシュピール(歌芝居)とされているように、このオペラは一般大衆にむけて平易にキリストの教えを説くことを目的としている。「第一戒律」とは、新約聖書のマルコ伝第12章でイエスが述べる『すべての心、すべての霊、すべての知恵、すべての力をあげて、主なる神を愛しなさい』ということ。歌芝居は、世俗の快楽と信仰の間で揺れる、キリスト教徒の心の綱引きをテーマに進行する。もっともモーツァルトが作曲した第1部は、世俗の快楽からは容易に逃れられないというところで終わっている。
最終更新:20080327
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