時と所:1918年・ウクライナの農村
第1幕
第1場/セミョンの家
 春の夜。セミョン・コトコは第一次世界大戦から復員し、4年振りに我が家へ帰って来た。 久しぶりの家族との再会に、家の扉を開けるまでは様々なセリフを考えていたセミョンだったが、いざ年老いた母親の顔を見ると胸が熱くなり、ただ無言で母親と抱き合った。
第2場/セミョンの家の前
 次の日。セミョンの妹フローシャが、彼の恋人ソフィアを連れて来てくれ、セミョンは恋人との再会を喜び合う。村人たちも集まり、皆でセミョンの前線で活躍する勇士を称えていると、遠くにソフィアの父親トカチェンコが、新しい使用人と家へ帰っていく姿が見えた。トカチェンコは裕福な農民で、娘が貧しいセミョンと恋人同士なのが気に入らなかった。革命後間もない農村で、土地の国有化などのソビエト化を謳う革命派の農民たちと、旧地主や裕福な農民たちは対立関係にもあるのだ。ウクライナの内乱はまだまだ続いていた。しかし2人は何とかトカチェンコに結婚を認めてもらおうと、村ソビエト議長のレメニュークと水兵のツァロフに仲人を頼み、協力してもらおうと考えた。早速ソフィアが2人を呼びにいき、申し出を快諾してもらうと、セミョンと家族はそれがうまくいくことを願った。
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