第2幕/ソフィアの家
 その日ソフィアの父であるトカチェンコは不機嫌だった。娘の恋人セミョンが、仲人のレメニュークとツァロフと共に結婚の申し込みに来るというので、娘のソフィアのみならず、妻のキフリャまでもが浮かれて婚約祝いの準備をしているからだ。トカチェンコは未だに革命などうまくいくはずがないと、革命派の村民たちを疎ましく思っているのに、祝いの儀式は勝手に進められ、村民たちも加わり盛り上がっている。
 そこへ突然3人のドイツ兵が入って来た。彼らは村人に食料を持って来るよう命じ、婚約の儀式は中断される。食料を待っている間、村ソビエト議長のレメニュークがドイツ兵に酒を飲ませ、その隙に武器を隠すが見つかってしまう。怒ったドイツ兵たちが報復を仄めかして帰っていったので、レメニュークは慌てて革命派の村人たちに逃げるよう指示し、旧地主のクレムボフスキーの土地の配分書をイワセンコという老人に預けると、自らも村から逃げ出した。水兵のツァロフも恋人のリュブカと別れを惜しみその場を去った。皆が去った部屋の中では、トカチェンコの新しい使用人となった旧地主のクレムボフスキーがほくそ笑んでいた。
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