リヒャルト・ワーグナー
楽劇ニーベルングの指輪三部作
Der Ring des Nibelungen
第二日ジークフリート
Siegfried
約4時間(83,75,80)
台本:作曲者
作曲:1856-71/初演:1876年8月16日バイロイト祝祭劇場
時所/神話時代
楽器編成:
4Fl(2Pic),4Ob(EH),4Cl(B-Cl).3Fg(K-Fg)
8(4Wagnertuba2T2B),3Tp,bs-Tp,3Tb,Kb-Tb,Tub
2Tim,Tgl,Cym,TD,Glock,TT/6Hp
【概説】
《ニーベルングの指環》四部作の三作目《ジークフリート》は、前作の《ワルキューレ》で誕生が予告されていた「怖れを知らない英雄」ジークフリートの成長物語である。夫ジークムントの形見となった剣ノートゥングの破片を持って森の奥に逃れたジークリンデだったが、そこでジークフリートを産み落とすと、たまたま出くわしたミーメに赤子を託して息を引き取った。かつて兄のアルベリヒに虐待されていたニーベルング族のミーメは、この子供を育てて自分の野望のために役立てようとしている。楽劇《ジークフリート》は、ここから始まる。
 題名役のジークフリートは初登場だが、前作《ワルキューレ》に登場した神ヴォータンと、その娘ブリュンヒルデが引き続いて登場、また、序劇《ラインの黄金》に登場していたニーベルング族のアルベリヒとミーメの兄弟、大蛇に変身した巨人ファーフナー、女神エールダも再登場し、《ニーベルングの指環》のドラマの全体像がようやく見えてくる。第2幕の半ばでソプラノが歌う「森の小鳥」の声が聴こえるまで、つまり長大な作品の前半分は全く女性が登場しないという特異なオペラでもある。しかし、第3幕の「ブリュンヒルデの目覚め」の場面は、この作品のクライマックスであるばかりでなく、《指環》四部作のドラマの幸福の頂点でもあり、この先は《神々の黄昏》に向かって運命は下降線をたどることになる。(C)吉田 真
最終更新:2010年2月8日
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