〈第2幕〉
森の奥。
第1場:アルベリヒがファーフナーのいる洞窟ナイトヘーレの方をうかがっていると、さすらい人が馬に乗ってやってくる。アルベリヒは、さすらい人の正体を見抜き、自分から指環と黄金を強奪したヴォータンをなじるが、傍観者を決め込むさすらい人は取り合わない。さすらい人は森の奥で眠っている大蛇ファーフナーに呼びかけ、差し迫っている危機を警告するが、ファーフナーはこれを相手にせず、怠惰に眠り続ける。ヴォータンの意図を図りかねて不審に思っているアルベリヒに、さすらい人は「何事にも、それぞれの流儀がある。それを変えることはできないぞ」と、意味深長な言葉を残して馬で走り去る。
第2場:ジークフリートが「怖れ」を学ぶために、ミーメに連れられてやってくる。ミーメは、ジークフリートとファーフナーが共倒れになることをひそかに願って、一旦その場を退く。ひとり森に残ったジークフリートは、亡き母親への想いにひたる(〈森のささやき〉の音楽)。小鳥の声に魅せられて角笛を吹いていると(ジークフリートのホルン・コール)、大蛇のファーフナーが目を覚まし、ジークフリートと格闘になるが、ノートゥングの一突きで倒される。ジークフリートが剣についた血をなめると小鳥の言葉がわかるようになった。
第3場:アルベリヒとミーメの激しい口げんか。ミーメはアルベリヒに妥協案を持ち出すが、アルベリヒはミーメを信用せず、これを拒否。両者は物別れに終わる。森の小鳥はジークフリートに、ミーメに警戒するよう警告する。ミーメはジークフリートを毒殺しようと試みるが、返り討ちにあってしまう。アルベリヒの高笑いが聞こえる。ジークフリートは指環を手に入れ、小鳥の忠告に従ってブリュンヒルデが眠る岩山を目指す。
(C)吉田 真
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