第1幕
 それから25年後のグリマルディ家の庭園。アメリアがアリア、「曉に星と海は微笑み」をうたう。彼女こそ行方不明のシモンの子供で、育ての親アンドレアは実は、かつてのフィエスコの世を忍ぶ仮の姿で、何と祖父と孫が同じ屋根の下で暮らしているのである。そこへ彼女の恋人ガブリエーレがあらわれ、2人は抱擁し愛の二重唱「海の若さを御覧なさい」をうたう。すると総統の使者ピエトロが到着して、総統が狩猟の帰途にこの邸に立ち寄ると告げる。総統の來邸の目的は自分とパオロの結婚にあると、彼女はガブリエーレに告げ、早く一緒になろうと懇願する。彼は早速アンドレアに、彼女との結婚の許しを乞う。
立ち寄ったシモンは、パオロとの結婚話を持ち出すが、アメリアはグリマルディ家の本当の娘ではなく、ピサの海岸で育った身の上を語る。そして彼女こそシモンの娘だったことが判明して、2人は感動的な親子の対面を果す。そしてシモンはパオロに、アメリアとの結婚は反故にすると知らされ、パオロは彼女を拉致しようと決心する。
 総統官邸内の大会議室、平民出身の代議員と貴族出身の代議員がそれぞれ、左右に分かれて議事が進められている。外部が騒がしくなり、暴動が起こったと報告される。左右の代議員は殺気立つが、シモンがそれを抑えて、暴徒たちを邸内に入れよと命令する。暴徒の先頭に立ったガブリエーレが、アメリアの拉致を命じたのは総統だというが、当のアメリアが姿をみせ、拉致されたが見張りを騙して逃げて来たと告げる。シモンは犯人に思い当たるが、一同の前で犯人を呪い、パオロにも呪いを繰り返させる。パオロは恐れおののきながら、自らに呪いをかける。(C) 出谷 啓
第2幕へ
RETURN
オペラ名曲辞典TOP