第1幕第1場
シチリア島のシラクサの王宮。シチリア王アルジーリオはサラセンの脅威から国を守るため、仇敵オルバッツァーノと共同戦線を組み、政略結婚として娘のアメナイーデを彼のもとに嫁がせることに決める。しかしアメナイーデは、かつて外遊した折り追放されていた前王の息子タンクレーディと会い、熱烈に愛し合っていた。アメナイーデは王に挙式を一日延ばしてくれるよう嘆願し、タンクレーディに宛てた手紙を友人のイザウラに託した。事情を知る侍女のイザウラは不吉な予感に身を震わせる。
第2場 宮殿の庭園。王宮の庭では、密かに故郷シラクサに戻ったタンクレーディが、恋人アメナイーデとの再会を夢見て、カヴァティーナ「大いなる不安と苦しみのあとに」を歌う。そこにアメナイーデを伴って王が登場。タンクレーディは物陰に隠れる。父王は、もしタンクレーディがこの国に戻ったら、すぐに死刑だと告げ、アメナイーデに今日中に結婚を承諾するようにと迫る。王が去り、一人悲しみに沈むアメナイーデの前にタンクレーディが現れる。鷲いた彼女は再会を喜ぶが、恋人に一緒に逃亡することを願う。
つづく

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