第4幕 ケルンの静かな一角
レナータの介護の甲斐あってルプレヒトは回復し、レナータとの結婚を望んでいた。しかしレナータはルプレヒトに感謝はしていたが、愛することはできなかった。レナータはルプレヒトを遠ざけ、未だに伯爵に性的な欲望を感じる自分の体を呪った。混乱するレナータはルプレヒトを悪魔の使いだと責め、ナイフで何度も自分の体を傷付ける。そして結婚を哀願するルプレヒトの制止を振り切り、ナイフを投げつけて逃亡してしまう。その時ファウストと悪魔メフィストフェレスはレナータとルプレヒトの言い争いを居酒屋のテーブルに座って見物していた。メフィストフェレスは羊の肉とワインを飲み、給仕の小さな男の子が急いで運んでいた肉を落とすと、男の子をむさぼり食べてしまう。ファウストはメフィストフェレスの悪ふざけにうんざりして相手にもしないが、驚いた店主は「男の子を返せ!」と大騒ぎをするので、メフィストフェレスは満足げに男の子をゴミ箱から出してみせる。そんなメフィストフェレスは落胆するルプレヒトに興味を持ち一緒に飲もうと誘っって来る。
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