【あらすじ】
第1幕 アルベルトの城
男爵家の子息アルベルトは、騎士のスポーツである馬上試合をこよなく愛していた。しかし父親の男爵は大変な守銭奴で、息子アルベルトへの一切の資金援助を拒んでいた。そのためアルベルトは、身分にふさわしいなりをすることも出来ず、赤貧の生活を強いられていた。ついにアルベルトの資金は底をつき、愛する馬上試合への参加も危ぶまれてきた。仕方なくアルベルトは、馴染みの高利貸しに新たな融資を相談するが、「男爵家の子息という信用だけでは、これ以上の融資は出来ない」と断られる。その上「もし財産相続のために、年老いた父親の男爵を毒殺するなら、知り合いの薬剤師を紹介する」と、とんでもない悪だくみを持ちかけられる。アルベルトは憤慨して、残忍な高利貸しを追い払うが、早急に生活資金を作らなければならなかった。思案の末、公爵に口添えをしてもらい、父親に資金援助を頼もうと決心する。
(第1幕の中心となる、約10分間にわたるアルベルトと高利貸しのかけ合いは、アルベルトの男性的な高潔さと、高利貸しの中性的な狡猾さが対照的に歌われ、緊迫した臨場感に引き込まれる。)

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