時と所:1860年・カールスベルク及びハイデルベルク(ドイツ)
第1幕
第1場/カールスベルクの宮廷
 宮廷内で4人の召使いたちが他愛もない噂話に花を咲かせている。そこへカール・フランツ王子が、先生のエンゲル博士と共に登場。王子は博士に向って「退屈な毎日に飽き飽きしているんだ。例の件の実行はまだかい?」と急かしている。例の件とは、博士が昔学生の頃に住んでいた、ハイデルベルクにいくという計画のことだった。博士は早速旅の準備に取り掛かかると、王子と2人で「素晴らしき日々よ Golden days」と歌った。博士は当時の懐かしい日々を思い出しながら、王子は王子で「まだ見ぬ新しい世界」への期待を込めて..。
第2場/ハイデルベルクの酒場
 「黄金の林檎」という店の中から、給仕娘たちと学生たちの楽しげな歌声が聞こえてくる。店の主人ルダーの娘ケティーも現れ、店内は益々盛り上がる。そこへカールスベルク王国の王子の侍従ルーツがやってきて、ルダーに王子の到着を知らせるので、学生たちは帰って行き、代りに王子と博士が入ってきた。王子はこの店に下宿することになっているのだ。店に入った王子は、ルダーの娘ケティーを見るなり一目で気に入り、ケティーも王子に心惹かれる。2人は「私の心深くに Deep in my heart, dear」と恋する気持ちを二重唱で歌い、一方のエンゲル博士は、遠くから聴こえる学生たちの歌声に、当時を思い出しながら「素晴らしき日々よ..」と歌った。
 王子はこの日学生たちに誘われて「ザクソン」という学生の団体に入団し、博士と共に学生たちと乾杯し上機嫌だったが、皆が帰った後はケティーと2人「身分違いの恋の行方」に不安を抱き、再び「私の心深くに..」と歌った。
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