第3幕 第1場/砂漠
 魔術師のチェリオが悪魔ファルファレッロに王子の行方を聞き、王子の呪いを解こうとするが、ファルファレッロは「カードの勝負に負けたお前には何の力もないさ。」と笑って消える。そこへ王子と道化師のトルッファルディーノが通りかかるので、チェリオは「クレオンタ城には恐ろしい女料理人がいるから、オレンジを盗るのは無理だ。」と忠告する。しかし王子は全く聞く耳を持たない。仕方なくチェリオはトルッファルディーノに魔法のリボンを渡すと、「これを女料理人に渡し、彼女が気を取られている間にオレンジを盗み出せ!しかしオレンジは水の近くでしか開けてはいけないぞ。」と言い2人を送り出した。王子とトルッファルディーノは、再び悪魔ファルファレッロの送る風に飛ばされながらクレオンタ城を目指した。
第2場/クレオンタ城
 王子とトルッファルディーノがクレオンタ城の台所に忍び込むと、早速恐ろしい女料理人がそれを見つけ、トルッファルディーノに大きな包丁で襲いかかる。しかし彼女は、トルッファルディーノの持っている魔法のリボンに気付くとすぐにそちらに気を取られ、その間に王子は三つのオレンジを盗み出した。
第3場/砂漠
 王子とトルッファルディーノは三つのオレンジを運んでいたが、何故だかオレンジがどんどん大きくなっていくので2人はすっかり疲れ、王子は途中で眠ってしまう。そこで喉の渇いたトルッファルディーノが、喉を潤そうとオレンジを1つ切ってみると、中からリネッテ王女が現れ喉が渇いたと言う。トルッファルディーノは慌ててもう1つのオレンジで彼女に水分を与えようと、2つ目のオレンジを切ってみるが、またしても中からはニコレッテ王女が現れ喉が渇いたと言い、2人の王女はそのまま死んでしまった。目を覚ました王子は2人の王女が死んでいるのをを見て驚き、近くを通りかかった兵士に彼女たちの弔いを頼むと、最後のオレンジを切ってみた。すると中から二ネッテ王女が現れ、同じように喉の渇きを訴える。今度は近くの塔にいた道化役者たちが水を運んで来てくれ、王子がそれを二ネッテ王女に与え助かった。二ネッテは王子に感謝し、彼に愛の言葉を歌う。(叙情派の役者たちが出て来るが、道化役者に追い返される。)
 王子が二ネッテ王女を宮殿に迎えようと「貴女のドレスを取って来るので待っていてください。」と言い立ち去ると、そこへ魔女ファタ・モルガーナの黒人召使いのスメラルディーナが現れた。そして二ネッテ王女に魔法のピンを刺し彼女を鼠に変え、代わりに自分が王女のいた場所に座り込んだ。トゥレフ王を連れてその場に戻ってきた王子は、スメラルディーナの姿を見て驚くが、王は「結婚を約束したのなら、それを破ってはいけない!」と言い、彼女を宮殿に迎え入れた。
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