第2幕
舞台は第1幕と同じ、装置はどうにか整いつつある。事件は事件、オペラはオペラだ。だが興行主は、みなの心を知るため、余計に悩み、ひとり頭を抱える風情。アガタが、友として助けようと言っても、娘売り込みの下心など、と、はねつける。
しかし、もともとオペラは、好きでなければ成り立たず、みな、マエストロに従って初演を目指す。裏腹に興行主の悩みは公然となり、借金ゆえの不正会計として役所からの助成打ち切りを言い渡され、加えて、劇場そのものを差し押さえるとのこと。客演の2人、実は会計検査官だったのだ。
一同、オペラも出来ず、飯の食い上げと怒りかつ嘆く。役人も、根はオペラファンだから、どう処すべきか迷う。さすがのマエストロも、ロマンチストらしい夜逃げの算段。いくらなんでも、と、一同途方に暮れる。
ところが、どう奔走したのか、救いの知らせを持ってきたのは、言わずと知れた、マンマ・アガタ。捨てる神あれば拾う神ありだ。が、果たしてその神は何だったのか!?・・・
これで、ドロテアの代役ながら、アガタも、晴れて初演の舞台に立てる。昔、スカラ座で鳴らした貫録、万歳だ! 興行主も、かぶとを脱ぎ、かつ、救われる。
そして、古代ローマの源泉から、市民のための、絶えざるオペラの流れをたたえるように、めでたく幕となる。
(C)東京オペラプロデュース
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