第3幕:第1場
アルトドルフの行政官の館。荒廃した礼拝堂。アルノールはマティルドに別れを告げに来た。アルノールは彼の父メルクタールがジュスレルの部下に殺されたことを語る。呆然とするマティルド。アルノールは、もはやハプスブルク家の軍隊には入れず、スイス独立のために身を捧げると言い、マティルドに永遠の別れを告げて立ち去る。
第2場:アルトドルフの広場。
オーストリアのスイス統合100周年記念日。広場の中央に行政官ジュスレルの帽子が飾られ、村人はそれに敬礼することが強要されている。チロルの娘が踊らされ、兵士に乱暴に扱われる。人々の怒りは次第に高まる。テルと息子のジェミニが通りかかるが、ジュスレルの帽子に敬礼することを拒み逮捕される。ジュスレルは弓の腕前の評判高いテルに残酷な仕打ちを思いつく。リンゴをジェミの頭の上に置き、それを射落とすことを命令する。一度はジュスレルに跪くテルだったが、父の腕前を信じて励ますジェミに勇気づけられ決意する。アリア「動いてはいけない」。テルは矢筒から二本の矢を抜き、一本を上着の下に隠す。テルは息子ジェミの頭の上のリンゴは見事射落とす。村人の喝采。しかしジュスレルはもう一本隠し持っていた矢に眼をつけテルに問う。テルは大胆にも、一本目の矢が打ち損じた際、もう一本でジュスレルを射るつもりだったと答える。烈火の如く怒ったジュスレルはテルと息子を逮捕する。そこにマティルド王女が駆けつけ、ハプスブルク皇帝の名で子供の釈放を求め認められる。連行されるテルは村人に武装蜂起を呼びかける。
つづく
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