第4幕:第1場
荒れ果てた長老メルクタールの家。アルノールが思い出の家に別れを告げに戻ってきた。アリア「涙さそう沈黙の家」。そこに彼の仲間が駆けつけ、テルが投獄されたと伝える。アルノールは彼の父がその日のために隠していた武器があることを告げ、「勝利か、さもなくば死か」と一同叫ぶ。
第2場
アクセンベルクの麓。ルツェルン河畔。嵐を呼ぶ雲が行き交う。テルの妻エドヴィージュが取り乱して、ジュスレルに許しを乞いに行こうとして止められる。そこに息子のジェミがマティルドと共に駆け込んでくる。マティルドはテルが今頃、湖に囲まれた牢獄に向かって湖を渡っていると告げる。ジェミは父に教えられた様に武装発起の合図である狼火をあげるため山に駆け登る。残された人々は祈りを捧げる。いよいよ風雲急を告げ嵐が襲ってくる。羊飼いのルートルドが仲間を集め、ジュスレルやテルが乗った船が浪にもまれていると告げる。浪にもまれた船は、船漕ぎの名手テルに操られてようやく岸にたどり着いた。素早く岩場に飛び移ったテルはジェミから弓と矢を受け取り、ジュスレルに向かって矢を射った。ジュスレルはもんどり打って湖に落ちる。ジェミのあげた狼火で集まったスイス連合の人々は旗を誇らしげに掲げる。嵐は過ぎ去り雲一つない青空になり、一同スイス解放を喜ぶ。(幕)
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