第5幕 バクトリアの古い広場
広場に佇むエリニスは「何と言う悲しみ、あの人の命を心配してしまう」と歌っている。そこにゾロアストルが現れると、エリニスは思わず駆け寄り「アブラマーヌと地獄の神々によって命を狙われている」と忠告し、生きて欲しいと懇願する。しかしゾロアストルは「死を恐れるのは死すべき者だけだ」と突っぱねるばかりか、アメリートへの祝福と、エリニスの罪過を口にする。それを聞いたエリニスは「自分を取り戻した」と告げ去って行く。その時アメリートの侍女セフィーが駆け込んで来るなり「突然稲妻のような炎によってアメリート様が連れ去られました」と報告する。ゾロアストルは度重なる運命の過酷さに立ち向かいアメリート救出を決意する。現れたアブラマーヌは「お前の勇気にふさわしい最後の苦境によって」と歌い、バクトリアの民に服従を命じる。悪魔達はエリニスの勝利を合唱し、アメリートを殺そうとする。しかしゾロアストルは惑わされることなく「神は正義だ!落ちろ、悪魔ども」と神の加護を祈り続づける。ついに神の雷が悪魔達を打ち、アメリートの命は救われる。精霊の王オロマゼスが現れ「天は再びゾロアストルの徳を試そうとしたが立派に試練に打ち勝った。」と歌い、この地を治め強大な帝国を築けと告げる。目出度くゾロアストルとアメリートは愛を成就させ「何と素晴らしい絆。永遠に愛を燃やし続けよう」と二重唱し幕となる。
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