あらすじ:第1幕
19世紀初め、チロル地方の村はずれ。
山の遠くからフランス軍の大砲の音が聞こえる。村人は戦況を見守るが、フランス軍の退却の報が届き一同安心する。この戦禍で旅の足止めをくらっていたベルケンフィールド侯爵夫人と執事のオルタンシウスが山小屋に戻ってきた。公爵夫人は「戦争は嫌い」と歌う。そこにフランス軍第21連隊が軍曹シュルピスに率いられ現れる。村人は恐れて逃げ去り、ベルケンフィールド侯爵夫人も小屋に隠れる。そこに軍服姿のマリーが登場。彼女は幼い頃戦場でシュルピス軍曹に拾われ、この連隊の中で育てられた孤児で、兵士らに可愛がられていた。ふさぎがちなマリーに軍曹が訳を尋ねると、マリーは以前崖から落ちた時、一命を救ってくれた青年が忘れられないと言う。その時一人の青年がスパイ容疑で連行されてきた。彼こそマリーの命の恩人トニオであり、彼もマリーを忘れられずに彼女の姿を追い、スパイと間違われたのだ。マリーのとりなしでトニオも入隊することになる。マリーは皆に所望されて「連隊の歌」を歌う。皆が去ると、二人はお互いの心のうちを語る愛の二重唱を歌う。やがて、ベルケンフィールド侯爵夫人がシュルピス軍曹と話すうちに、マリーが、死んだ夫人の妹とフランス軍人との間に生まれた娘であったことが判明する。ベルケンフィールド侯爵夫人はマリーを、貴族に相応しい教育をするために引き取るという。皆との別れの辛さに拒むマリーだったが、シュルピスに説得されて、侯爵夫人とともにパリに行くことを決意する。
つづく
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