3月になりました。先月、著作権管理団体のジャスラックが、ヤマハやカワイなどの音楽教室に対して、楽曲の著作権使用料を徴収すると発表して、音楽界はひと騒動になりました。カラオケや発表会などは、これまでも徴収されており、ジャスラックの言い分としては、営利事業なのだから収益の5%を支払えということです。一方音楽教室側は、先生と生徒といったクローズの教育にまで使用料を払えというのは、文化の衰退を意味すると拒否しています。両者とも言い分はあるので、結局は裁判での和解ということで、多少減免した使用料に落ち着くと思います。私も音楽の世界でこれまで暮らしてきて、現在の芸術の社会システムの不備が気になっていました。話は大きくなりますが、民主主義とは富の再分配であるという説があります。つまり、お金持ちから税金を取って、貧しい人に分配することにより、社会的安定をもたらし、お金持ちも、その恩恵に預かるということです。こう言う見方では、芸術の世界は著しい不均衡があります。つまり、作曲家や作詞家といった著作権に関わる人は、莫大なお金を稼ぎ、一方演奏家は、1回限りの演奏料しか入らず、それもすぐに若く才能のある人にその仕事を奪われるのです。そういう意味では、演奏家は音楽の正常な発展と民主主義という観点で、ジャスラックに堂々と論争をすればいいと思います。もっとも、そのような理論的な考えができないのが演奏家で、できたら演奏家にはならないということです。

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