1997-10
自分を愛して
こちらでの生活もようやく2カ月がすぎ、カルチャーショックの大きな波の第一陣も過ぎ去り、ここ一週間はとても落ちついて取り組んでいます。
あれこれと察して心配せず、今あるままに自分を存在させておこうという悟りを持つに至りました。また、友人に「人のことを愛する前に自分のことをもっと愛して大切にしなさい」って言われて、何か力が抜けました。これがまた英語で云われるとその言葉の持つ意味が加わって余計にジ〜ン!!としたのですが・・・
日本人は声楽科に一人しかいないので、情報を自分で取っていかないと取り残されてしまう!!という焦りや、皆、自分の事に精一杯で「自分のことを愛する」というよりは「わがまま」(Selfish)な傾向にある人が多いので、ついつい流されてしまいそうになりますが「自分を疲れさせないような環境を作る」ことに専念したいと思います。本当に、これまで留学経験なさっている先輩方を心より尊敬しているこの頃です。

ルームメイトは日本の外国人!?
住まいは寮で、学校に隣接しているので、時間がとても節約できます。日本でいうと6畳くらいにベットと机があり(2人部屋)決して広くはありませんが「住めば都」で何とかやっています。ルームメイトは大阪出身、京都芸大を出て、コロラドでMasterを取ったピアニストで現在はProfessional Studyという立場の学生です。最近お互い夜まで話し込んだりするようになってきました。多くのアメリカ人の友人は、「マキコにとって良くないから、アメリカ人と同じ部屋になるように」することを勧めますが、やはり、日本人同志が持つ感覚でおしゃべりできるのは唯一の慰めです。といっても関西と東北人では、かなり文化と言葉に違いがあるので、最初の頃は外人のように思えました!

オペラのオーディションに合格!
最近のNewsといえば、Juilliard Opera Workshopという学部3.4年生のオペラの演習に私も聴講生として参加していたのですが、後期のChamber Opera " Streets' Scean" by K.Weilのオーディションに参加できただけでなく、まだ公表されていませんがキャストに選ばれたようです・・・(ようです・・というのが私の語学力の貧弱さを証明していますネ)でも嬉しいのは書類上私は正規の学生として参加できないのにも関わらず、キャストに配してくれた事です。(しかし、そこにはMs.Johnsonのお力添えがあってこそなのですが)きっと他のMess.Sopranoで落ちた人もいるかもしれないので、やはり、これはしっかりやらねば!!と思っています。

コンサートのご案内
12月21日にはカーネギーホールで、日本からいらっしゃる第九の合唱団の皆さんとSoloをします。
1998年2月21日には池袋芸術劇場でバッハの「ヨハネ受難曲」のSoloを歌います。指揮は現在 LeipzigのSt.ThomasのカントールGeorg Christoph Billerさんです。

今年1997年も残すところ2カ月です。みなさんお風邪を召されませんよう、お祈り申し上げます。

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