フランク・マルタン
Martin, Frank
スイス 1890 - 1974
父親は牧師。文科系ギムナジウムを卒業後、初めは自然科学と数学を学び、1910年になって、音楽の道に進むことを決意、ジュネーヴでラウバーに和声、作曲、楽器法を学ぶ。音楽学校での教育は受けていない。
兵役義務を終えて、チューリヒ、ローマ、パリを移り住み、1926年にふたたびジュネーヴに落ち着く。この間に室内楽曲や歌曲などの最初の作品が出版されている。
1926年、友人とともにジュネーヴ室内楽協会を設立、1938年までピアニスト、チェンバロ奏者として活躍した。
1928〜39年、ジュネーヴのジャック=ダルクローズのリトミック研究所に招かれ、即興とリズム理論を教えた。
この間、ジュネーヴのテクニクム・モデルヌ・ド・ミュジックや同地のダルクローズ音大において教育活動。
1942〜46年、スイス音楽家協会会長。
1946年、オランダに移住。1950〜57年、ケルン音楽大学で作曲担当教授。このときの弟子にシュトックハウゼンがいる。
1949年にジュネーヴ大学から、また1960年にはローザンヌ大学から名誉博士号を授与された。
ワーグナーを愛し、ストラヴィンスキーの影響を受け、ドイツ的な基盤のもとで育ったが、同時にフランク、フォーレ、ラヴェルなどの影響も強く、初期の作品はフランス音楽の色が濃い。12音技法にも近づくが、調性から完全には離れず、調性と12音技法を結合させる独自の作風。
作品:
◆器楽
パッサカリア(オルガン)
8つの前奏曲(ピアノ)
ソナタ・ダ・キエザ Sonata da chiesa(ヴィオラ・ダ・モーレまたはフルート、オルガン)
バラード(チェロ、ピアノ)
アイルランド民謡による三重奏曲 Trio sur des melodies populaires irlandaises(ヴァイオリン、チェロ、,ピアノ)
弦楽四重奏曲(1967)
◆管弦楽
リズム Rythmes
3つの交響的楽章(1926)
パッサカリア(弦楽合奏)
モーツァルトをたたえる序曲 Ouverture en hommage a Mozart(1956)
ロンドー形式の序曲 Ouverture en rondeau(1958)
交響練習曲「四大元素」 Etudes symphoniques Les 4 elements
エラスミ・モニュメントゥム Erasmi Monumentum(オルガン付き)
小協奏交響曲 Petite symphonie concertante(ハープ、チェンバロ、ピアノ、弦楽合奏群2)(1945)
◆協奏曲
7つの管楽器と弦楽とティンパニのための協奏曲(1949)
ピアノ協奏曲(2曲)(1934,1969)
ヴァイオリン協奏曲(1951)
チェンバロと小オーケストラのための協奏曲(1952)
チェロ協奏曲(1966)
バラード
第1番(サクソフォーン)(1938)
第2番(ピアノ)(1939)
第3番(フルート)(1939)
第4番(トロンボーン)(1940)
◆オラトリオ
魔法の酒 Le vin herbe(独唱者12、楽器8)
地には平和を In terra pax
◆オペラ「嵐 Der Sturm」(原作シェイクスピア)
作品:管弦楽曲DB
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