フランソワ=アンドレ・フィリドール
Philidor Francois-Andre
仏 1726 - 1795
フィリドールとは、フランスの音楽家一家の変名で、元々はダニカンという姓であり、ダニカン=フィリドールという複合名としても使われる。
この名は、ルイ13世がオーボエ奏者のミシェル・ダニカンMichel Danicanの演奏を聴き、「フィリドールの再来」と讃えたことに由来するという伝説がある。フィリドールとはシエナの名オーボエ奏者であった。このミシェルはフランソワの親戚にあたる。
フランソワはフィリドール一家の中でもっとも有名で、ヴェルサイユの国王つき少年聖歌隊員として過ごし、カンプラに師事した。
1738年には国王礼拝堂楽団に入り、自作のモテットをそこで上演。この楽団では当時チェスが流行していて、フランソワ=アンドレはチェスの名手として知られるようになり、イギリスのセント・ジェイムズ・チェスクラブから年金を支給されるほどであった。1749年、ロンドンで「チェスの分析 Analyse des echecs」を出版。
1745〜54年、イギリスに滞在。フランスに戻りオペラ・コミックで成功、軽喜劇的作品から、市民の生活を題材としたもの、哲学的作品、劇的大合唱など、多彩な作品が数多くある。初期のオペラ・コミックにおいて重要な作曲家。
晩年は、革命のため安全なイギリスに渡り、客死。
代表作:
転調の技法 L'art de la modulation(1755)
テ・デウム(1786)
世俗オラトリオ「世紀祭の賛歌 Carmen saeculare」
◆オペラ・コミック
大騒ぎ Le diable a quatre
靴直しのブレーズ Blaise le savetier
魔術使いの兵士 Le soldat magicien
蹄鉄工 Le marechal ferrant
魔法使い Le sorcier
トム・ジョーンズ Tom Jones
ノルウェーの王女エルヌランド Ernelinde, princesse de Norvege(デンマークの王子サンドミール Sandomir, prince de Danemarkとして改訂)
美しい女奴隷 La belle esclave
皆がかくあるべき夫、または新亭主学校 Le mari comme il les faudrait tous ou la nouvelle ecole des maris

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