第3幕
第1場/宮殿の入口
リッチャルドが女だったと知りすっかり気持ちの冷めたモルガーナは、恋人のオロンテに許しを請うと復縁を願い出る。一度は自分を裏切ったモルガーナだったが、それでも彼女を想う気持ちの強いオロンテは彼女を許し、2人は手を取り合った。一方魔力を失ったアルチーナは、逃げ出そうとするルッジェーロと鉢合わせし、彼に戻って来るよう説得するが、島を去る決心をしているルッジェーロは頑なにこれを拒否するので、アルチーナは「捕えられ戻って来た時には覚悟しておくがいい!」と今度は怒りを露わにした。しかしルッジェーロは島を取り囲む兵士や魔物たちを次々と倒し、アルチーナは軍総司令官のオロンテから敗北を聞かされることになる。アルチーナは「この身に残されたのは涙のみ Mi restano le lagrime」と歌うと、憐れな我が身を嘆いた。
第2場/魔法の壺の置いてある宮殿内の部屋
ルッジェーロを捕えることが出来ず、うな垂れているアルチーナの元に、オベルトが現れる。この悲惨な状況の中「父親はどこか」と尋ねるオベルトに気分を害したアルチーナは、部屋に並ぶ檻の中から1頭のライオンを追い出すと、オベルトに槍を渡し「自分の身を守りたいなら、このライオンを倒しなさい!」と命じる。ところがライオンは穏やかな目でオベルトを見つめると、ゆっくりとオベルトに近付いて来るので、彼はそれが姿を変えられた自分の父親アストルフォだと気付く。アルチーナは自分の思い通りに動かないオベルトに腹を立て「それでは自分が殺そう!」と槍を取り上げようとするので、オベルトは「野蛮人! Barbara!」とアルチーナを非難し、逆にアルチーナに向かって槍を構えた。そこへ魔法に掛けられた者たちを救うために、ルッジェーロが現れた。ブラダマンテやメリッセも一緒である。ルッジェーロはアルチーナの家臣オロンテに剣を返してやると「君も自由になれ」と言い、悪の根源である魔法の壺を壊そうとした。しかしアルチーナが「自分でやる」とこれを止めるので、ブラダマンテが「それなら私が…」と壺に近付く。すると今度はモルガーナが出て来て「貴女が動物にされそうになったのを、私が助けてあげたのよ!」とブラダマンテを止め、壺を壊さないでと懇願する。しかしメリッセに「早く!」と言われたルッジェーロが、隙を見て壺を粉々に壊すと、アルチーナとモルガーナの姿は跡形もなく消えていった。
全ての魔法が解け、それと共に美しい宮殿も姿を消した。石や木や動物に変えられていた人々も元の人間の姿に戻り、オベルトの父アストルフォも息子と抱き合い喜んだ。全員が歓喜の歌を歌う中、幕となる。
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