第3場宮殿の一室。
アーリはこのイザベラの様子を見て、「大公はお冠だが、イタリア女は自由で賢い」と歌う。一方リンドローとタッディオは、われこそがイザベラの本物の恋人と争うが、取りあえず共通の目的である、この宮殿からの脱出に協力することになる。そこでタッディオは丁度そこに現れたムスターファ大公に「パッパターチ」という好色な秘密結社へ入会を勧める。その会は、飲んで食べて女と戯れ、そしてそこで起こったことは一切見ない、聞かない、話さないという快楽主義のパーティーだ。
第4場イザベラの部屋。
皆が脱出の計画を練っている。まず奴隷になったイタリア船員にパッパターチの洋服を着せて、「祖国のことを考えなさい」と励ます。やがてムスターファ大公が現れ、パッパターチの入会規則である「見ても見ぬふり・聞いても聞かないふり」と宣言をする。ひきつづき、大公はかつらを外しパッパターチの衣装を着せられる。そこに飲み物や豪華な料理が運ばれパーティーが始まる。イザベラがリンドーロと愛の言葉を交わしても、奴隷が出航の準備をはじめてもムスターファ大公は何もできない。アーリの知らせで事の真相を知るが、兵士達は酔っぱらい役に立たない。ムスターファ大公は妻のエルヴィーラの手を取り「許してくれ」と船を見送り、人々の合唱「イタリア女は、たった一人でもこんなにやれる!」で幕となる。

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