【あらすじ】
時と所:1910年頃・ミラノ
全1幕 アメリアのアパート
アメリアは今夜の舞踏会に行くため、メイド2人に手伝ってもらいながら支度をしている。そばではもう用意の整った友人が、今や遅しとそれを待っている。いつまでも支度に手間取っていると、アメリアの夫が帰って来て、今夜は舞踏会に行かないと言い出した。驚くアメリアは友人とメイドを部屋から出し、身内に不幸でもあったのかと夫に尋ねた。すると夫は1通の手紙を取り出し、それを読み始めた。何と手紙は妻アメリアの浮気相手から、アメリアに宛てたものだった。激しく怒る夫を前に、とうとう泣き出すアメリアだったが、その涙は浮気を責められたからではなく、ただただ舞踏会に行けなくなるのを悲しんだだけ。相手の男は誰かと問い詰める夫に、白状すれば舞踏会に連れて行くとの条件を出して、アメリアは浮気相手の名を告げた。すると夫は舞踏会に行くどころか、銃を片手にアパートの上の階に住む相手の男の所へ一目散。驚いたアメリアは、窓から恋人に逃げるよう叫び、ロープを使って自分の部屋へと招き入れた。すぐさま駆け落ちをしようと恋人は言ったが、アメリアはまだ舞踏会を諦めきれずにそれを断る。そうこうしている間に、夫が部屋へと戻ってくる気配が..。恋人は身を隠したが、窓のロープからこの部屋へ逃げ込んだことがばれ、夫に見つかってしまう。夫は恋人に銃を向ける。けれど肝心の弾が入っていなかった。今度は若くて屈強な恋人が優勢になると、2人の言い争いが延々と始まってしまった。何としてでも舞踏会に行きたいアメリアは、この事態に逆上すると、遂には夫の頭を花瓶で殴りつけてしまう。気を失う夫を見て我に返ったアメリアが、急いで近所の人に助けを求めると、警官までやってきた。警官に事情を聞かれたアメリアは、恋人を強盗に仕立て上げ、全てを彼のせいにした。恋人の言い訳など誰も信じるはずもなく、哀れな彼は逮捕された。そこでアメリアはふと気付く。一緒に舞踏会に行ってくれる男性がいなくなってしまった..。絶望するアメリアに、警官が声をかけた。「それでは私がお伴致しましょうか?」。とうとう念願の舞踏会に行けることとなったアメリアは、喜び勇んで出かけて行った。近所の人達が合唱する。女が一度舞踏会に行こうと思ったら、誰にもそれを止められないと!(幕)
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