愛の妙薬
時と場所:19世紀。バスク地方の小村。
第1幕第1場
大木の下で農夫や娘達が一休みして楽しそうに合唱している。農場主の娘アディーナは本を読んでいる。農夫のネモリーノはそれを眺め、無学であるコンプレックスから愛を告白できないでいる。アディーナは「トリスタンとイゾルデ」の一節を読み上げ、物語のような愛の妙薬があったらと歌う。そこへ小太鼓の連打につづき兵士達とベルコーレ軍曹が登場。軍曹はアディーナに花を捧げ結婚を迫るが、彼女にはその気はない。一同が去りネモリーノとアディーナだけになると、ネモリーノは思い切ってアディーナに求愛する。しかしアディーナは、「お金持ちの伯父さんを見舞わないと遺産が手に入らないよ…」という。なおも迫るネモリーノに、「私は気まぐれだからだめ…」とあしらわれる。二重唱「そよ風に聞いてごらん」。
第2場
村の広場。ラッパの音が聞こえ、インチキ薬売りのドゥルカマーラが到着する。ドゥルカマーラは早速、弁舌巧みにインチキ薬を村人に売りまくる。ネモリーノは「イゾルデ」が飲んだような「愛の妙薬」が欲しいというので、ドゥルカマーラは一日後に効き目が現れると説明して、安いボルドーワインを売りつける。ネモリーノがこのワインを飲むと何時になく陽気になり、アディーナもびっくりする。その上アディーナに向かって、「明日になると僕のことを大好きになるさ!」と自信満々に言うので、気を悪くしたアディーナは、あてつけにベルコーレのプロポーズを受けてしまう。ネモリーノは少し驚くが、明日になれば薬が効くと信じているので、式は明日まで待って欲しいと頼む。しかしその願いは聞き入れられない。絶望したネモリーノはドゥルカマーラに助けを求める。
つづく
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