第2幕 カフェ・オットー
5年の月日が流れ、フランス革命によりパリの人々の暮らしは一変している。カフェで書き物をしているシェニエに、友人のルーシェは通行証を渡し、早くパリから逃れるように忠告する。しかしシェニエは「希望」という名の差出人からの手紙が気になっていて、パリをあとにすることが出来ずにいる。実は「希望」という名で手紙をよこしているのは、かつて夜会で出会ったコワニー伯爵令嬢マッダレーナなのである。コワニー伯爵家は革命時に没落して、今では侍女のベルシが娼婦に身をおとしながらマッダレーナを養いかくまっていた。一方コワニー家の召使だったジェラールは革命政府の高官となり、密偵を使ってマッダレーナを探している。ジェラールは憧れても手の届かなかったマッダレーナへの想いを「大空のように青い瞳」で歌う。パリの雑踏の中ベルシがシェニエに近づき、今夜マレー像の下に「希望」という名の女性が会いに来ると伝える。しかしジェラールの命令でマッダレーナを探すためベルシを尾行していた密偵にも、この言伝を聞かれてしまう。
夜になりシェニエは約束の場所に向かう。待ち合わせの場所に現れたマッダレーナは初めて出会った夜会の時に交わした会話「貴女は愛をご存じないのですね」と語りかけ、二人は再会をはたす。マッダレーナは革命によって、いかに悲惨な生活を強いられてきたかをシェニエに話す。シェニエはこれに応え「永遠に共に」を歌い、二人の愛の二重唱となる。そこに密偵から報告をうけたジェラールが現れる。マッダレーナを連れ去ろうとして暗闇の中、相手が誰であるのかを知らずに決闘になる。剣で負傷したジェラールはこの時、相手がシェニエであること気づく。そしてマッダレーナを守ってくれるように頼みシェニエを逃がす。駆け付けた仲間たちにジェラールは、見知らぬ者に傷を負わされたと告げる。
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