第2幕 地下室
アリアーヌは乳母と二人、再び秘密の扉の奥に続く階段を降り行く。青ひげが扉を閉めてしまうので、乳母は二度と太陽を見ることは出来ないと嘆く。しかしアリアーヌは乳母をなだめ、「青ひげはすでに敗北したのだから、やがて私たちを開放するでしょう。けれども一番大切なことは青ひげが自分自身を開放することなのです」と話す。二人はランプを手に暗闇を進み、穴倉の底に怯える5人の妻達を見つける。5人の名前はセリゼット、イグレーヌ、メリサンド、ベランジェールそしてアラディーヌと言った。彼女たちは恐怖と諦めの中で逃げ出す勇気も失くし、かろうじて生きていた。アリアーヌは妻達に「勇気を出して、出口の扉を見つけましょう!」と励ますが、妻達は扉を開ければ、波が押し寄せて来ると信じているので動こうとしない。穴倉の中は冷たく湿っていて、滴り落ちる水滴でランプの光は今にも消えそうである。アリアーヌは一人、頼りないランプを手に岩壁を登り、扉を探がし出す。しかし扉から射しこむ日差しは弱く、更にその先も続く岩壁には、六つの窓があった。しり込みをする妻達をよそに、アリアーヌはなおも窓を目指して登り、石でガラスを割っていった。ついに窓のガラスは全て割られ、何千もの眩い光の筋が刺し込んでくる。怖がっていた妻達もようやく安心し、アリアーヌの後について、窓から外に出る。久しぶりに望む外界は春の息吹に満ち、鳥や羊が息づいていた。妻達は一時、解放の喜びに浸るが、光によって露わにされたみすぼらしい自分達の姿を嘆き出す。アリアーヌは妻達を励まし続け、岩のわきに見つけた階段を降り始めた。妻達も後に従い、長く悲しい脱出の歌は光の中で終わりを告げる。「オルラモンドの5人の娘、扉を捜しあてました。」
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