第5幕/アルミードの宮殿
ルノーとの愛を選んだアルミードは「いつこの愛が失われてしまうのか..」と日々怯えながら過ごしていた。そこで何とか心の不安を消し去りたいと、悪霊たちの許へ知恵を授かりにいくことにした。アルミードの留守中、従者たちが快楽の精となり歌い踊って、ルノーを楽しませようと試みるが、魔法を掛けられたルノーの心は今やアルミードなしでは楽しむことも出来ず、従者たちは部屋から出ていくよう言われた。そこへルノーを助けにウバルドとデンマークの騎士が現れる。2人がダイヤモンドの盾を見せると、ルノーに掛けられていた魔法はすっかり解け、正気に戻ったルノーはウバルドたちと共に宮殿から出ていこうとする。するとちょうどそこへアルミードが戻り、彼女は恐れていたことが現実になってしまったと体を震わせる。ルノーはそんなアルミードに向かい「ああ、何て不幸なアルミード!
あなたの運命は哀れなものだ Trop malheureuse Armide, helas! Que ton destin
est deplorable」と歌い去っていく。
独り残されたアルミードの心の中は、愛を失った悲しみと、あの時なぜルノーを殺してしまわなかったのかという後悔、そして激しい復讐の気持ちが渦巻き、気も狂わんばかりだった。アルミードは全てのものを壊滅させたいと言わんばかりに、魔法のかかった自分の宮殿を悪魔たちに破壊させると、二輪戦車に乗り飛び去っていった。胸にはルノーへの復讐を固く誓いながら..。(幕)
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