第4幕 湖畔の小屋
数ヶ月後。アロルドとその友ブリアーノは、スコットランドのローモンド湖畔の小屋にいた。2人は世捨人となり、神に祈りを捧げながら毎日を過ごしているのだった。ある嵐の夜、岸に打ち上げられた舟から、アロルド達の小屋へ避難する者がいた。それはアロルドの妻ミーナと、その父エグベルトだった。ミーナは姦通の罪を、エグベルトは殺人の罪を懺悔しながら、2人は放浪の旅に出ていた。ミーナはアロルドの姿を見ると、自分が死ぬ前にどうか自分を赦してほしいと懇願した。困惑するアロルドに、ブリアーノが教えを説く。ヨハネ伝8章、姦通した女に対してのキリストの言葉である。「罪なき者がいるならば、この女に石を投げよ..」。そう、全ての人間は罪を犯し生きているのだ。誰も人の罪を責めることなどできないはず..。心に迷いのなくなったアロルドはミーナを赦し、泣き崩れるミーナをそっと抱き立たせた。(幕)
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