第2幕
第1場/城内の法廷
 前王ファチーノの家臣であったアニキーノは、民衆を味方につけている公妃の裁判は公平にすべきとフィリッポ公に進言するが、フィリッポは城門全てを閉鎖すると自分の腹心であるリッツァルドを裁判長として法廷を進めてしまう。拷問に耐えかねて公妃ベアトリーチェのありもしない陰謀を認めてしまったオロムべッロは、法廷に入ると「無理やりの自白で公妃は無実」と証言を覆したため、一時休廷中に再び拷問に連れて行かれる。
 裁判後、良心の痛んだ女官のアニェーゼがフィリッポ公の許を訪れ「私が反乱軍からの手紙を使って公妃たちを陥れました。どうか二人を許してください!」と告白したが、アニキーノの持って来た判決文には二人の死罪が記されていた。必死で赦免を請うアニキーノや家臣たちに、一度は迷いの顔を見せたフィリッポだったが、その時反乱軍襲撃の知らせが入り、彼はすぐさま「公妃の裏切りは明白だ」と死刑執行書にサインをした。
第2場/牢獄に続く広間
 牢から連れ出されるベアトリーチェを、喪服を着た夫人や侍女たちが泣きながら取り囲む。ベアトリーチェは「栄光の中での死です」と気丈にも皆を慰め、その後目の前で全ての策略を告白したアニェーゼを一瞬恨みはしたものの、遠い牢獄から聞こえるオロムべッロの「彼女を許す」という声に、自らも彼女を許すことにした。そして穏やかな表情で皆に別れを告げると、神の許へと導かれるように処刑台へと進んで行った。(幕)
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