第2幕 総督の宮殿
婚礼の祝賀会で召使たちがワインを注いで回っている。広間からは笑い声、ギターやトランペットの演奏、兵士達がワインを催促する声が聞こえてくる。そこで楽長ソマローネがシチリーのワインを称えて即興曲を披露する。調子よく二番を歌おうとするが、あまりに酔っているため何やら叫びながら酔い潰れてしまう。
そこにひどく興奮してベアトリスが現れる。ベアトリスはベネディクトに愛されていると思い込みすっかり混乱している。そしてベネディクトが戦場に向かった日の悲しみや、彼の身を案じて悪夢にうなされ、から元気を出して心配を笑い飛ばしていた日々を思い出していた。ベアトリスは自分の気持ちに正直になろうと決めベネディクトへの愛を歌う。かつては攻撃的だったベアトリスが優しげに歌う様子に驚いたエロとウルスラも加わり、愛する人と結ばれる幸せと永遠の愛を歌う。途中調子を変え、エロとウルスラはベアトリスをからかい、結婚生活の恐怖と騙し合いを警告するが、最後は穏やかに乙女の三重唱が終わる。
いよいよエロとクラウディオの愛の誓いの時となり、ベアトリスは誓いの言葉を一人聞いている。そこにベネディクトが入って来ると、二人は罰悪そうに二三言葉を交わすが、結婚の行進で会話は中断となる。クラウディオとエロが結婚の署名をすると、公証人が第二の契約書を見て「誰か他に結婚する人はいますか?」と尋ねる。そこへベネディクトが1幕で宣言した通り『ここに結婚した男ベネディクトあり』と書かれたプラカードが運び込まれる。いよいよベネディクトは観念し、ベアトリスもあいかわらずの高慢ぶりながら、お互いに相手が自分を愛していると思い込んでいるため結婚の運びとなる。ベネディクトとベアトリスは「今日の所は休戦するが、明日はまた敵同士よ!」と歌い、一同が揃って「明日、明日」と陽気に歌い幕となる。
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