シーン3 砲列甲板
夜明けが近付き、ビリーは静かに死刑執行を待っている。ダンスカーがビリーに最後の食事を運んでくると「皆でビリーの処刑に抗議する!」と告げる。しかしビリーは抗議をやめるように頼む。ビリーは死も、崇拝するヴィアに見放された事も全てを運命として受け入れよう決め、別れの歌「手錠をかけられたビリー」を歌う。
シーン4 主甲板と後甲板
夜が明け、乗組員全員が甲板に集合する。軍楽とともにビリーが連行され、副艦長が死刑を宣告する。ビリーは落ち着いた様子で、明るい表情を浮かべると、ヴィアに敬礼し「星のように輝くヴェア、神の御加護を!」と叫ぶ。乗組員がビリーの最期の言葉を繰り返す。いよいよ処刑の瞬間、水夫達の怒りがどよめきになるが、士官達によって鎮められる。
エピローグ ヴィアの書斎
冒頭のシーンに戻る。ヴィアはビリーの処刑の後、水葬を行った事を語る。年老いたヴィアは、今尚ビリーを救えなかった罪悪感に苛まれ、ビリーが最後に残した「星のように輝くヴィア、神の御加護を!」という言葉を忘れる事が出来なかった。自分の行いの是非に答えを出せぬまま、年老いたヴィアはビリーの最期の言葉が神聖なる救済の言葉であったと信じるのだった。〈幕〉
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