【あらすじ】
時と場所:伝説の時代、青ひげ公の城の広間
幕の前に吟遊詩人が登場し、「古城をめぐる古い言い伝えを物語りましょう」と前口上を述べる(歌わない)。青ひげとユーディットは、青ひげの城に着いた。壁には七つの扉があり閉まっている。青ひげが「おまえはついてくるか?」と問うと、ユーディットは両親も兄弟も捨てて婚約者さえも捨てて青ひげに従い、「ええ、あなたについていきます」と答える。緊迫感あふれる音楽。二人は抱きしめ合う。窓も露台もない暗い城。太陽の光さえない。みんながこの城の悪い噂をしている。青ひげは何度もユーディットにここに来るのを止める。二人の重唱である。青ひげが「なぜ私についてきたのか?」聞くと、「それは私の愛で城をあたたかくさせるため。」とユーディットが答える。彼女は七つの開かずの扉に気が付き、「あれは何?すべての扉を開けて!鍵をください」と言う。彼女は青ひげを愛しているから何もかも見たいと言う。青ひげは第一の扉の鍵を渡す。そして第一の扉を開けるとそこは炎にまみれていた。首を切るものがある拷問の部屋であった。すべての壁は血を流している。ユーディットは恐れず、さらにすべての扉を開けて光を差し込ませようと、第二の扉の鍵をせがみ、開く。そこは、たくさんの鋭い武器と戦いの道具がある武器庫である。どの武器にも血がついている。ユーディットは恐ろしく思う反面、すべてを知りたい気持ちでせかされる。「他の鍵をください。すべてを私に見せてください」ここで音楽が変わる。青ひげは第三の扉の鍵をユーディットに渡す。開けると、そこは黄金の輝き、黄金の宝物、ダイヤモンド、真珠の飾り物がある。王冠と城の宝物庫の部屋だった。ユーディットは青ひげがお金持ちだとわかる。青ひげは「すべておまえのものだよ」と言い、ユーディットは喜び、手に持つが しかし王冠に血が付いている。さらに、ユーディットに第四の扉を開けさせる。そこは秘密の花園であり、ユリなどカーネーション、白い薔薇がある。しかし、薔薇やゆりの根元にも血が付いていることに気が付く。除々にユーディットは青ひげを疑い始め、「誰がこの花園に血をまいたの?」と聞く。青ひげは、何も聞くなと言い、第五の扉の鍵を渡し、開けさせる。そこは美しい広い国、光が差し込み、明るい草原が見渡せる。低音の重厚なハーモニー。青ひげが「これはすべておまえのものだ」と言う。ユーディットは不安になりながら「血のように赤い雲だわ」と答え、逃げようとする。しかし青ひげは「おいで私の胸に」と言う。ユーディットは、まだあと二つの扉が開いていないので、それを開けてほしいと言う。青ひげは仕方なく第六の扉の鍵を渡す。そこはひんやりと冷たく氷っている。白い静かな水がある。動かない水がある。ユーディットは「どういう水なんでしょう?」と問うと、「これは涙なのだ。音もしない動かない。涙なのだよユーディット。こっちにおいで」と言って、接吻をする。ユーディットは、夫が自分の前に愛した女性のことを聞かずにはいられなくなる。「本当に私を愛しているの?私の前に愛した人たちのことを教えて」その女性たちの方がよかったのではないの?美しかった?とやく気になる彼女。緊張がうかがえる。「最後の扉になにが隠されているかわかったわよ、あの水は誰の涙か。すべてに血が付いている。あなたの女性たちが殺されて血まみれになっているのね。悪い噂は本当だったのね。はやく最後の扉を開けて。すべての真実を知りたいの。」と彼女は言う。本当の事を知りたいと言う彼女に、青ひげは第7の扉の鍵を渡す。「開けてみるがいい。そこには私の昔の女性がいる。」と言う。真っ暗な扉に入っていく。そこに、かつて青ひげが愛した女性三人がいた。ユーディットは「みんな生きている!」と驚く。彼女たちは、たぐいなく美しく、昔のままに生きている。ユーディットは自分より美しく立派だと驚く。青ひげは、それぞれの女性たちを称賛していく。第1の女性は夜明けに見つけ、バラの冠をつけ、日ごとの夜明けは彼女のもの。さらに第2の女性は真昼だった、金色に燃え立って、太陽の冠をつけ、日ごとの真昼は彼女のもの。第3の女性は夕暮れで、日ごとの夕暮れは彼女のもの。そして第4の女性は真夜中だった。それはユーディットのことだ。彼女は「待ってまだ私はここにいるのよ」と言う。青ひげは「すべての夜はおまえのものだ」星のように輝くダイヤモンドの冠をかぶらせる。青ひげは、お前が一番美しい女性だと言い二人は見つめあう。そして4人の女性は一緒になり第七の扉の中に消えていく。青ひげは一人歩きながら「こうして夜が永遠に続く」とつぶやき、舞台は暗くなり、また次の女性を求めにいく。静かな音楽で幕になる

もどる
オペラ名曲辞典TOP