第4幕
15年後の修道院の庭
ロクサーヌはクリスチャンの喪に服し、修道院に身を置いている。シラノは失意のロクサーヌを慰めるべく、土曜日毎に週報を語りに通っている。ひと足先に、出世したギーシュ公爵がロクサーヌを訪ねる。
そこヘル・ブレがやってきて、シラノの悲惨な境遇を嘆く。ロクサーヌが公爵を見送る際、入れ違いにラグノーがル・ブレにシラノに不慮の事態があったことを告げにくる。二人は急いでシラノを探しに行く。
待ちわびるロクサーヌの元に、おぼつかない足取りでシラノがやってくる。道中刺客に襲われ重傷を負ったシラノは傷を帽子で隠し、ロクサーヌの為に恒例の週報を語り始めるが、声が次第に弱くなっていく。アラス戦の傷が痛んで、と言うシラノに心動かされたロクサーヌは、クリスチャンの最後の手紙を彼に見せようと決心をする。死が間近に迫り、意識の遠のくシラノは脳裏にある自らの思いを読み上げてしまう。
ロクサーヌは夕闇で読めないはすの手紙を読むシラノと、以前バルコニーで聞いた声とが一致していることに気づ<。そこヘラグノーとル・ブレが駆けつける。
シラノは迫る幻影に向かって剣を抜いて挑みかかり、やがて倒れ込む。親友達、そして最愛のロクサーヌに見守られながら彼は死を迎える。(幕)
(C)東京オペラプロデュース
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