【あらすじ】
時と所:中世・十字軍の時代
全1幕/城内
十字軍として戦地へ赴いていたリューデンシュタイン伯爵は、帰国に当たり小姓のウドリンに留守中の城の様子を探るよう命じる。ウドリンが一足先に帰城して、恋人のイゼッラにこっそりと城の様子を聞くと、残された女たちは伯爵夫人のルドゥミッラを中心に「いつも戦争ばかりで城に居着かない男たちをどうにかしなければ」と話し合っていると言う。二人が立ち去った所へへレーネという女性が現れ「私は静かに辺りを歩き回り、淋しさを募らせます Ich schleich' bang still herum」と、戦地へいる新婚の夫を想い歌っていると、そこへ女たちが集まって来る。その中には女装をしたウドリンも潜んでいた。伯爵夫人が「男たちが戻って来たら、これ以上戦争へ行かないと誓うまでセックスを拒否しましょう!」と提案し、皆はこれに賛同する。帰還して来た男たちは妻や恋人たちの態度が冷たいので不審がるが、ウドリンに訳を聞いた伯爵は「それならこちらも応戦してやろう!」と、女たちを無視することにした。そうなると夫の帰りを待ち望んでいた女たちは、逆に淋しさに耐えられなくなる。伯爵夫人は仕方なく、侍女のイゼッラを使い夫に話し合いを申し入れる。そんな中、ヘレーネと夫のアストルフは人目を忍んでキスを交わす。新婚の二人には、互いに冷たくすることなど到底できなかった。誰かの来る気配で二人が二手に別れると、そこへ伯爵夫人と伯爵が話し合いにやって来た。まずは伯爵が「君のために戦うのだ!」と妻の説得に掛かると、伯爵夫人も負けじと「では今度は私のためにいつも傍にいてくださいな」と返す。すると伯爵は「実は重大な事実があるのだ…内容はウドリンに聞いてくれ」と立ち去るので、夫人は早速ウドリンを呼び事情を訊ねる。ウドリンの話によると、戦場で窮地に陥った時「必ずもう一度戦地へ戻り戦いますので、どうぞお助けください!」と神に救いを求め、次の戦に勝利するまでは決して女たちと愛し合わないと誓ったのだと言う。しかしもし女たちが武装して共に戦うのならば、互いを愛することが許されると言う。それを聞いた女たちはそれまでの誓いも忘れ、鎧や剣で身を固めると戦地へ行く覚悟を決める。その勇ましい姿を見て、彼女たちの愛の深さに心を打たれた伯爵は、自分の嘘を白状すると「これからは戦争へ行かずに、愛を大切にして生きよう」と考えを改め、結局は女たちの願いが叶う。めでたく男女は仲直りし幕となる。
もどる
オペラ名曲辞典TOP