第2幕
 村の居酒屋の前の広場。侯爵の息子ドン・カルロが、学生に身をやつして、妹のレオノーラと彼女の誘惑者を探して、今この村にやって来たところである。ちょうどこのときレオノーラも、アルヴァロとはぐれて、1人この村へ男装してたどり着いたところだった。彼女は兄の姿を目にして、足早にホテルの中に入る。酒を飲んでいる男たちのところへ、ジプシー女のプレチオシルラが、戦争讃歌「太鼓の響き」をうたい、みんなにイタリア戦線への参加を勧め、得意の占いを始める。ドン・カルロの手相をみて、あなたは学生ではないと図星を指す。すると戸外を巡礼の一団が通り過ぎ、村人たちは祈りを捧げる。レオノーラもまた兄に見つからないようにと祈りを捧げる。ところがカルロは先時ホテルに入った若者が気にかかり、若者を乗せたロバ引きに、あの若者は女ではなかとしつこく聞く。だがロバ引きは曖昧な答えで逃げ、かえってカルロが人々から、自分の素性を明かせと迫られ、バラータでヴァルガス家で起きた悲劇を、友人の事として語って聞かせる。物語が終わった後村人たちは、それぞれ帰路につく。
 岩山の上に建つ僧院。たどり着いたレオノーラは、劇的なアリア「哀れみの聖母」で、聖母に罪の許しを乞い祈り、院長への取次ぎを頼む。彼女はグァルディアーノ神父に、自分の身の上を語り、一生を神に捧げる決意を語り、神父に救いを求める。神父は修道院に入るよう勧めるが、彼女は1人で山の中で神に祈る生活をしたいといい、神父はそれをかなえてやるという。二重唱「心は静まり」になる。全修道僧の前で、聖衣に着替えたレオノーラを神父は祝福する。そして山上の庵には、誰も近づいてはならぬと命令する。フィナーレのコンチェルタート、「天使の中の聖処女よ」がうたわれる。
(C) 出谷 啓
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