第2幕:アリンダルの王国のお城
一方トラモント王国は敵国との戦いに敗れ、民衆や兵士達は絶望の淵にあった。しかしアリンダルの妹のローラ王女は諦めず「魔女グロマの予言の通り、アリンダル王子が生きている限り、国は滅びません。」と兵士達を鼓舞していた。その時アリンダル王子がようやく帰還し、民衆は歓喜にわく。ゲルノートも帰還し、恋人ドローラとの八年ぶりの再会を喜ぶ。二人はお互いに留守の間に浮気をしたのではないかと喧嘩をするが、結局最後は仲直りをする。その時アーダがツェミーナとファルツァーナを従え現れる。もしアリンダルが試練を乗り越えられなければ、アーダは石になってしまうのだ。お供の妖精達は危険な試練を与えることに反対するが、アーダは祈りをこめて「この恐ろしい時に立ち向かう哀れな私」を歌い立ち去る。敵国が攻め入り民衆達は怖れ慄く。しかしアーダを失ったアリンダルには戦闘意欲がわいてこない。その時再び現れたアーダは、もう一度約束を守るように念をおすと、燃えるさかる地溝の割れ目に最愛の子供を投げいれてしまう。余りの残虐さにアリンダルは怯え立ちつくす。そこへ使者が現れ「アーダと名乗るアマゾンがトラモント軍を襲撃し、モラルトも戦死しました」報告する。撤退してきた将軍ハラルトはアーダを見ると、我が軍を総崩れにしたアマゾンの女将に間違いないと証言する。ついにアリンダルは怒りのあまり誓いを忘れ、アーダを呪ってしまう。するとアーダは「あなたの為に妖精の不死性を捨てて人間になろうと願い試練を与えましたが、誓いが破られた以上、妖精の国に帰り百年間石にならなければなりません」と嘆く。アリンダルがアーダを問いただすと「ハラルト将軍は敵に内通する裏切り者です。モラルトは我がアマゾンの加勢で勝利を挙げ、間もなく帰還するでしょう」と告げる。話を聞いたアリンダルは「ではなぜ子供を殺したのか」と責めるが、間もなく子供は二人とも無事に戻ってくる。アリンダルは全てが試練であったことを悟り、誓いを破ったことを詫びるが、すでに時遅くアーダは「今日にも私は石になるのです」と言い残し去って行く。しばらくすると、アーダの言うとおりモラルトは凱旋し、国中が勝利にわきかえるがアリンダルは正気を失ってしまう。
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