【基礎データ】
三文オペラ
Dreigroschenoper
作曲:クルト・ヴァイル
Kurt Weill(1900~1950)
台本:ベルトルト・ブレヒト
Bertolt Brecht(1898~1956)
原作:ジョン・ゲイ/John Gay(1685~1732)「乞食オペラ/The Beggar`s Opera」
(エリーザベト・ハウプトマン、ドイツ語訳)
初演:1928年8月31日、ベルリン、シッフバウアーダム劇場
演奏時間:全曲は3時間を超えるため、実際の上演はその時々でカット編集される。
楽器編成2Cl or 2Sax,2Tp,Tb/Pf,Org,Perc,Banjo or Guitar
時と場所:18世紀。ロンドンのスラム街ソホー
概説:「三文オペラ」はオペラというより、ミュージカルの範疇に入る作品である。1728年にジョン・ゲイが書いたバラッド・オペラ「乞食オペラ」を、ブレヒトがエリザベート・ハウプトマン(当時の愛人)にドイツ語訳を依頼し、それをもとにして台本を書きあげた。ジャズの手法を取り入れたこの作品は、7人から9人編成のスタジオジャズグループによって演奏される。冒頭で歌われる「モリタートの歌」はジャズナンバーとして、数え切れないほどのカヴァーがあり、劇作家ブレヒトにとっても、作曲家ヴァイルにとっても、最も成功した代表作となった。しかしながら、「三文オペラ」が生み出された1928年、第1次世界大戦で弱体化したドイツは、やがて吹き荒れるファシズムが台頭し、世界恐慌前夜の不穏な社会情勢の只中にあった。ブレヒトの社会風刺のきいたこの作品は、そんな社会不安に取り巻かれた人々の熱狂的支持を得るが、ヴァイルは社会主義の表現としての音楽に共感できず、その後二人は袂を分かつことになっていった。
by MI
最終更新:2009年5月8日

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