【あらすじ】時と場所:14世紀初頭、北海沿岸フランドル地方クルトレ近郊の村
あらすじ
第1幕 クルトレ近郊の村
朝の鐘が鳴り、村の人々は「遠くから教会の鐘の音が聞こえ、最後の星も輝きを失った!」と歌い、挨拶を交わしながら仕事に向かうが、エドガールは居酒屋で飲み明かしたまま居眠りをしている。そこに可憐な村娘フィデーリアが登場し「晴れやかな夜明け!四月の夜明け!」と明るく歌いながら眠っているエドガールに声をかける。フィデーリアは無邪気に夢の話をすると、エドガールにアーモンドの小枝を投げて走り去る。目を覚ましたエドガールが投げられたアーモンドの小枝を愛おしげに見つめていると、妖しい美女ディグラーナが嘲笑いながら現れ「小鳩ちゃんがお気に召したの?昔は、炎のような快楽を求めていたのに」と挑発する。エドガールは「悪魔!黙れ!」と吐き捨て、家に入ってしまう。仕方なく一人酒場に向かうディグラーナの前に、フィデーリアの兄フランクが立ちはだかり「昨晩はどこにいた!」と詰め寄る。ディグラーナはうんざりした様子で「私は子供の頃ジプシーの一団に捨てられた。私と一緒の所を見られないようにしなさいよ!」と悪びれてみせる。フランクは涙声で「お前の凄まじい魅惑を断ち切りたくても出来ない!」と歌い去って行く。その頃人々は慌ただしく教会に集まり、朝の祈りを捧げている。教会に姿を見せたディグラーナは「禿鷹に向かって鳴いたわ、死にかけた子羊さん!」と邪悪な歌で祈りの邪魔をする。憤慨した人々が「立ち去れ、卑しい遊び女!」と威嚇すると、エドガールが割って入り「下がれ、馬鹿が大勢で!」と叫び、手にしていた松明で自分の家に火を放つ。呆気にとられている人々を尻目にエドガールはディグラーナを抱きよせ「新しい生活のくれる快楽よ!」と歌い立ち去ろうとするが、騒ぎを聞きつけて現れたフランクと決闘になる。人々は騒然となり、教会から出てきたフランクの父グアルティエーロとフィデーリアが必死に二人を止める。フランクは傷を負い、エドガールとディグラーナは人々の罵倒を背に逃亡する。

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