第2幕「花嫁の出現」ブラックイーグル荘
医者の息子トニーが来てから2~3日がたち、親しくなったトニーとエリザベスは恋に落ちてしまう。二人が愛の二重唱を歌い、抱き合っているところを見つけたカロリーナは激しくエリザベスを責め、二人は決裂する。一方トニーの真剣な思いに父ライシュマンは理解を示す。エリザベスは今までの欺瞞に満ちた生活を離れ、真実の愛に生きると歌う。それを聞いたミッテンフォーファーは冷静に話し合おうとエリザベスを呼び、詩作の為の気難しさや、癇癪を起した事を詫び「エリザベスは詩作には欠かせない女神のような存在だ」と許しを請う。次第にエリザベスはトニーとの恋は間違いだったと考えるようになる。エリザベスから心変わりを知らされたトニーはミッテンフォーファーに抗議する。板ばさみになったエリザベスが泣き崩れると、40年の幻想の世界から正気に戻ったヒルダが現れ、優しく慰める。ミッテンフォーファーは事態を収拾するために、若い恋人達を一緒にさせようと身を引く覚悟を決め、最新作の「若い恋人達」の一文を紹介する。一同はトニーとエリザベスの結婚に同意し、ライシェマンも二人を祝福する。するとミッテンフォーファーは二人に「詩作のインスピレーションの為に、1日だけ結婚式を日延べしてハンマーホーンの高嶺に咲くエーデルワイスを摘んできて欲しい」と頼む。二人は感謝のしるしとして喜んでこの頼みを引き受ける。結婚の喜びに浸る二人と長い幻想世界から蘇ったヒルダは「明日になれば新しい世界が始まる」と喜びを歌う。しかし皆が引き揚げた後、一人残ったミッテンフォーファーは肩を震わせ拳を握り「皆消え失せろ!死んでしまえ!」と呪いの言葉を吐く。
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