第3幕 慈悲
 カルロス大帝の霊廟。王はここで謀反者たちが謀議をはかるであろうことを察知して、先回りしてやって来てアリア「若き日々よ」をうたい、霊廟の中へ姿を消す。反逆者たちが次々と集い、直接王を殺害する者を選出する。結局エルナーニが、籤を引き当てることになるが、シルヴァはその権利を譲ってくれるなら、命の角笛を返してやるというが、エルナーニは父の復讐はぜひ自分の手でと譲らない。反逆者たちは勇壮な、「陰謀の合唱」をうたう。そのとき大砲の音が3発聞こえ、王が姿をあらわす。それに続いて宮廷の人々が、方々から集まって来て、侍従長がドン・カルロが神聖ローマ帝国の皇帝に選ばれたと告げる。反逆者たちは一網打尽に捕えられ、首謀者は即死罪を申し渡される。するとエルヴィラが王の前に跪き、皇帝となられた今は、ぜひお慈悲を賜りたくと願う。王は大帝の徳を思い一同を許し、その上エルヴィラをエルナーニの花嫁として与える。名誉を傷つけられて、一層復讐を誓うシルヴァを除いて、全員の新しい皇帝カルロ5世を讃える合唱で幕となる。
(C) 出谷 啓
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