【あらすじ】
<第1幕>
第1場/ルートヴィヒ(ルイ)六世の宮殿 (プレメリ)
華々しい舞踏会が開かれている宮殿内の広間で、ネヴェール伯爵アドラールは、独り浮かない顔をしていた。それを見つけたフランス王ルートヴィヒ六世は、彼が戦のため愛する妻と離れ離れでいることを嘆いていると悟り、近々2人が会えるよう取り計らうと、アドラールを慰めた。するとアドラールは竪琴を手に取り、妻オイリアンテへの愛と信頼を歌い始めた(花咲くアーモンドの樹の下で Unter bluh'nden Mandelbaumen)。それを聴いていたフォレスト伯爵リジアルトが、そんな貞淑な女などいるものかとけしかけたので、怒ったアドラールはリジアルトに決闘を迫った。リジアルトは、そんなことに命は懸けられないとこれを断ったが、彼女の不実を証明することに、自分の領地と全財産を懸けると言い放った。アドラールも、そんなことができたのならこちらも全財産をくれてやるとこれを受け、2人はその証として王に自分達の指輪を預けた。
第2場/ネヴェールの城の庭
ネヴェール伯爵アドラールの妻オイリアンテが、戦場に行ってしまった夫を想い淋しげにしていると、女官のエグランティーネがやってきて、何か思い悩んでいることがあるのならお話し下さいと言う。彼女はオイリアンテが夜中に墓場を彷徨う姿を見て、その真相が知りたかった。それというのもこのエグランティーネは、オイリアンテの夫アドラールに想いを寄せており、何とか2人の仲を引き裂こうと機会を窺っているのだ。「悩みを打ち明けないなんて、私を信じていないのですか!」と言うエグランティーネの言葉に、オイリアンテは夫に口外を禁じられている話をしてしまう。夫アドラールが出征する前の晩、アドラールの妹エマの亡霊が現れ2人にこう言った。「私は指輪の中の毒を飲んで、戦死した恋人ウドの後を追ったが、あの指輪が無垢な人の悲しみの涙で濡れるまで、私の魂は昇天できない」と。オイリアンテは夫と2人の秘密を他人に話してしまったことを後悔したが、エグランティーネはその秘密を利用できると喜んだ。そこへ王からの遣いだというフォレスト伯爵リジアルトと、騎士団がやってきた。オイリアンテは王の宮殿に招かれたと知ると、夫アドラールに再会できると喜び、リジアルトは、何とかこの美しい女性を誘惑しようと企んだ。
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