<第3幕>
第1場/岩山の渓谷
ネヴェール伯爵アドラールは、愛する妻の裏切りに怒り悲しみ、妻オイリアンテを殺そうとした。オイリアンテは必死に自分の身の潔白を訴えたが聞き入れられず、アドラールの剣は振り下ろされる..。そこへ大蛇が現れた。命を落とすならば貴方を救うためにと、オイリアンテは大蛇からアドラールを庇うが、アドラールはオイリアンテを突き飛ばし大蛇と戦った。死闘の末大蛇を倒したアドラールは、自分を救うために身を投げ出した妻を殺すことはできないと、オイリアンテを一人残しその場から立ち去った。オイリアンテは悲しみに暮れ倒れ込む。夜が明け、渓谷に狩人達が現れた。その中には狩服姿のフランス国王ルートヴィヒ六世の姿もあり、王は岩場に倒れているオイリアンテと大蛇を見つけ驚いた。そしてオイリアンテから、女官エグランティーネやフォレスト伯爵リジアルトの、これまでの陰謀を聞き、必ずやオイリアンテを救ってやると約束した。彼女は「彼の所に! Zu ihm」を歌い、再び夫アドラールの元に戻れると喜ぶが、衰弱のためまた倒れてしまう。王はオイリアンテをそっと運ばせた。
第2場/ネヴェールの城前広場
村娘のベルタが、村人達と5月の歌を歌っていると、そこへ元領主であるネヴェール伯爵アドラールが現れた。絶望に沈んだアドラールに、村人達が妻オイリアンテの無実を伝えた。そして彼女を陥れた女官のエグランティーネと、フォレスト伯爵リジアルトが、まるで何事もなかったかのように今日結婚式を挙げると言う。ちょうどその時結婚祝いのパレードが通る。花嫁のエグランティーネは、死んだアドラールの妹エマの亡霊に怯えているようだった。アドラールが堪らず2人への復讐に飛び出すと、リジアルトは衛兵に彼を捕えるよう命じた。ところが兵士達は、元領主のアドラールの方に忠誠を示した。そこへ王が現れ、オイリアンテは悲しみに耐えきれず亡くなったと言い、皆の気持ちを確かめてみた。すると真っ先にエグランティーネが狂喜し、自分がオイリアンテを陥れてやったと叫ぶ。そして夫になるはずのリジアルトをも嘲笑し始めたので、リジアルトはエグランティーネを刺殺してしまう。王はアドラールに、今こそリジアルトへの復讐を果たすよう言うが、アドラールは力なく、無実の妻を見捨てて来たことを悔やむばかりだった。そこへオイリアンテが現れる。無垢な人の悲しみの涙で指輪が濡れ、エマも昇天することができた。皆の喜びの合唱の中、2人は再び結ばれる。(幕)
RETURN
オペラ名曲辞典TOP