ファルスタッフ
Falstaff
ジュゼッペ・ヴェルディ
Giuseppe Verdi
伊/1813-1901
初演:1893年2月9日ミラノ・スカラ座
台本:伊語/アリーゴ・ボーイト/Arrigo Boito
演奏時間:第1幕33分/第2幕43分/第3幕45分/合計約2時間
楽器編成:
3Fl(Picc),2Ob,E.H.,2Cl,B-Cl,2Fg/4Hr,3Tp,3Tb,B.Tb/Tim,Trg,G.C.,Cym/Gitarre,Hrp,Cel/Str
Banda:Hr,Glocke in F
概説:
このオペラはヴェルディが、80歳のときに書いた最後の作品で、またシェークスピア3部作の最終作でもある。そして初期の「1日だけの王様」と並んで、数少ないコメディなのもユニークといえる。何よりも特徴的なのは、アンサンブルに徹底していることで、気の利いたアリアもカバレッタもなく、ほとんど重唱でドラマが進行して行く。従って聴き手の方も、耳を澄まして各声部に集中するしかなく、その意味では最も集中力を要求するオペラであろう。書法の面からみるとこれは、モーツァルトのオペラの世界への回帰といえなくもない。「コシ・ファン・トゥッテ」や、「ドン・ジョヴァンニ」を思わせる箇所が、ふんだんにあるのが聴いていると分かる。だがヴェルディ特有のベルカント風のアリアとか、小人数による重唱の魅力を期待すると、完全な肩透かしを食うことになる。あくまでもセリフのやり取りにわくわくする作品。
(C) 出谷 啓
最終更新:2009年4月21日
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