第2幕
 伯爵夫人の部屋、夫人はこのところ夫の愛が、次第に遠のいて行っているのを嘆き悲しんでいる。そこへフィガロとスザンナが入って来て、婦人と3人で伯爵を懲らしめようと相談する。その方法は伯爵に、夫人が誰かと不倫をするという、偽手紙を出して嫉妬心をかき立て、その一方でケルビーノに女装させて、スザンナに見せかけて1泡吹かせてやろう寸法。入れ替わりに軍服姿のケルビーノが、別れの挨拶にあらわれたので、スザンナは早速彼を女装させる。伯爵が部屋の戸をノックするので、夫人は大急ぎでケルビーノを別室に隠す。スザンナも、隣の部屋に身を隠す。伯爵は夫人がドアを開くのに、手間取ったのを不審に思い、先だっての偽手紙を手にして、夫人が誰かと密会していたのではと疑う。そしてケルビーノが隠れている部屋へ入ろうとするのだが、鍵が掛かって開かない。夫婦はいい争った挙句、ドアを壊す道具をとりに部屋を出る。その隙にスザンナは、ケルビーノを出して、自分が身代わりに別室に入り、ケルビーノはバルコニーから、飛び降りてそのまま逃げる。伯爵が金槌とペンチでドアをこじ開けると、スザンナがにっこり笑って出て来る。この成り行きには、夫人もびっくりするのだったが、引っ込みがつかなくなったのは伯爵で、貞淑な妻を疑ってしまったというので、とたんに平謝りに謝る始末。その直後に、マルチェリーナとバルトロとバジリオが連れ立って、例の借金の証文を示して、返済出来ないのなら、マルチェリーナと結婚しろと息巻く。一難去ってまた一難、てんやわんやのうちに幕が降りる。
(c)出谷 啓
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