【基礎データ】
フランチェスカ・ダ・リミニ
Francesca da Rimini
作曲:セルゲイ・ラフマニノフ
Sergei Rachmaninov(1873~1943)
原作:ダンテ・アリギエーリ/Dante Alighieri(1265~1321)「神曲 地獄篇」より
台本:モデスト・チャイコフスキー/Modest Tchaikovsky、ロシア語
初演:1906年1月24日,モスクワ,ボリショイ劇場
演奏時間:全57分(プロローグ16分,シーン1-21分,シーン2-17分,エピローグ-3分)
楽器編成:3Fl(Pic),2Ob,EH,2Cl,Bs-Cl,2Fg/4Hr,3Tp,3Tb,Tub/Tim,Perc(Cym,BD,TT)/Hp/Str
時と場所:13世紀,イタリア、ラヴェンナ
概説:フランチェスカ・ダ・リミニはイタリア、ラヴェンナの領主グイド家の娘として1255年~1285年に生きた実在の人物である。政略結婚でマラテスタ家の息子パオロと結婚式を挙げた翌朝、本当の夫は、その兄のジョバンニであると知らされたフランチェスカは、すでにパオロを愛するようになっていた。その結果、夫ジョバンニの嫉妬によって、フランチェスカとパオロは殺害されるとことになる。この実際に起こった悲劇をダンテが叙事詩「神曲」の地獄篇の中に織り込んだのである。以後ダンテの原作をもとにチャイコフスキーの幻想曲、ロダンの彫刻「接吻」他、戯曲や絵画など様々なジャンルで作品化されてきた。ラフマニノフはこの「フランチェスカ・ダ・リミニ」と「けちな騎士」を二本立てにして、1906年にボリショイ劇場で発表した。当時ラフマニノフは処女作「アレコ」を古いイタリアンスタイルの作品として嫌い、新しいオペラを模索していた。その結果ラフマニノフは愛、嫉妬という古典的題材であるこの悲しい地獄絵に、ボーカリーズとオーケストラを効果的に使い、生々しくも残新な息吹を吹きこんでいる。
by MI
最終更新:2009年6月12日
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