第5幕 ホテルのラウンジ
4年の歳月が流れ、オクターヴィオはホテルのピアノ弾きをしている。支配人からお客の好みとリクエストを聞かされたオクターヴィオは、その日の客がジュディッタである事を知る。一人過ぎ去った熱い恋を思い出し「“世界で一番美しい人”で始まるこの歌は」を歌う。そこにジュディッタが現れ、流れるピアノの曲に耳を傾けるうちに、弾き手がオクターヴィオだと気が付く。しかし再会を果たした二人の道はすでに遠く離れていた。オクターヴィオは真珠のネックレスを受け取るジュディッタを見てしまったことを告げる。驚くジュディッタは、生きることに必死だっただけで、今でも愛しているのはオクターヴィオだけだと話す。ジュディッタは「私の元へ戻ってきて」と歌うが、オクターヴィオは、自分にはもう愛する力は無いのだと答える。口づけを拒んだオクターヴィオの態度に、愛は戻らないと悟ったジュディッタはバルモア卿が来るのも待たず去っていく。残されたオクターヴィオが再び「”世界で一番美しい人”で始まる愛の歌は」を歌い、静かに幕となる。
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