〈第1幕〉
ライン河畔のギービヒ家の館。
第1場:当主のグンター、妹のグートルーネ、家臣で異母兄弟のハーゲンがいる。ハーゲンは独身の兄と妹に結婚を提案し、グンターにはブリュンヒルデ、グートルーネにはジークフリートを勧める。その実現のために、ジークフリートに忘れ薬を飲ませてグートルーネと婚約させ、義兄となったグンターのためにブリュンヒルデを連れて来させるという陰謀をたくらむ。
第2場:そこへライン川を船で漕いで上ってきたジークフリートが到着。忘れ薬入りの飲み物を飲んだジークフリートは、たちまち記憶を失い、目の前のグートルーネに心を奪われる。そしてグンターと義兄弟の誓いを交わし、炎を乗り越えて岩山のブリュンヒルデを連れてくることを約束すると、ただちに出発する。館に残ったハーゲンが、ひとりで見張りをしながら自分の野望をつぶやく。彼は、実はニーベルング族のアルベリヒの息子だったのだ。
第3場:場面が変わって、ブリュンヒルデの岩山。ワルキューレのひとり、ヴァルトラウテがブリュンヒルデのもとへやってくる。ブリュンヒルデは妹との再会を喜ぶが、ヴァルトラウテはヴァルハル城で無気力に過ごすヴォータンの様子を伝え、神々を救うために指環を返してくれるよう頼みに来たのだった。しかし、ブリュンヒルデにとってジークフリートの愛の証しである指環を彼女は渡そうとしないので、ヴァルトラウテは絶望して去ってゆく。
第4場:ジークフリートの角笛が聴こえてくるので、ブリュンヒルデは彼が帰ってきたと思い、喜ぶが、炎を乗り越えてきたのは見知らぬ男だった。男は力ずくで指環を奪い取り、彼女を屈服させる。男は隠れ頭巾でグンターに変装したジークフリートだったのだ。そうとは知らないブリュンヒルデは、男の言うがままに岩屋に入ってゆく。ジークフリートも続いて中へ入る。
(C)吉田 真
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